プールと温泉併設の総合健康ランドで、昔、チャック・ウィルソンが筋肉をムキムキ言わせながら、
「ミンナモ オイデヨ!! キタエヨウゼ!」
とかなんとか言って、親指を立てながらコマーシャルをしてくださっていた
あの「テルブ」だ。
どうやらいつの間にかつぶれてしまったらしい。
小学校から中学校にかけて、産業道路沿いの東北健康センターとテルブには、よく親に連れて行かれてたので、廃業してしまったことがちょっぴり悲しい。
健康センターもお化け屋敷みたいになっちゃってるし、土地の買い手もつかないまま放ったらかしになってるようだ。
テルブといえば、記憶に残っている思い出がある。
入場の際に、券売機で入場券を買うのだが、そこに子ども料金と大人料金がある。
小学生以下が子ども料金で、中学生からは大人料金だ。
いつも母さんにまとめて買ってもらっていたのだが、ある日、中1の私に母さんが、
「あんた、子ども料金で入っちゃいなよ」
と言ってきた。
入場ゲートのとこにはテルブの店員さんがいて、大人が子ども料金で入らないよう見張っている。
少し、不安を感じつつも母さんに子ども料金のチケットを渡され、ゲートを無事通過!
私は、券売機の前で様子を伺う母さんに
「通れたよーー!!」
と喜びを伝えた。
「しっ!!黙ってなさい!!!」
母さんがあわてて顔をしかめる。
まぁ、私は背もそんなに高くないし、痩せてちっこかったので、小学生5年生といっても
十分通用するぐらいだったから、通過は当然の結果と言えた。
だが、母さんは私が通過したのをいいことに、
兄ちゃんまで子ども料金で通過させようともくろんだ。
そのとき兄ちゃんすでに中3。
私と違って、成長著しい方だったので、
明らかに小学生には見えなかった。
下手したら、中学生にも見えなかったし。
だって兄ちゃん、すでに小学生のときから登校前に電気かみそりでひげを剃るワイルド派だったから。
券売機の前で母さんと兄ちゃんがもめているのが見える。
兄ちゃん、抵抗。
母さん、無理やり兄ちゃんに子どもチケットを握らせる
兄ちゃん、チケットを投げる
母さん、拾ってまた渡す
そんなやりとりを周りの迷惑も顧みず、何度か繰り返していた。
もうすでに明らかに不審顔の店員が母さんたちをチラチラ見てるし。
子ども料金で兄ちゃんがゲートを通過するのは不可能に思われた。
あきらめ顔の兄ちゃんがゲートをくぐる。
店員がかけよる。
「…きみ、小学生じゃないよね?
大人だよね?」
詰めよられている兄ちゃん。
券売機のあたりでなぜかガッツポーズで兄ちゃんを励ましている母さん。
「差額料金をお支払ください」
兄ちゃんににじり寄る店員の前に真打ちが登場した!!
「そのこはうちの子だ!!
小学生だぞ!!!」
ズガーーーン!
父さん!!
一瞬たじろぐ店員。
「あ、お父様ですか?いや、あの、でも、このコ小学生ではないですよね?」
「小学生だ!!」
「・・・ひげが生えておられるようですが?」
「小学生だ!!!」
そして今時ヒゲが生えている小学生など珍しくないと父さんは断言したのだった。
(実際、兄ちゃんは小学生のときからヒゲが生えてたので)
その後もしばらくもめてたみたいだけど、私はそのまま先に風呂場に妹といっちゃったから、結局どうなったのか覚えてない。
ただ、それ以降は母さんも父さんも無言で、私と兄ちゃんには「大人料金」のチケットを素直に渡すようになった。
あの日の戦いは敗れたのかな・・・?
テルブ及び健康センター亡き今、現在、我が家族の憩いの場は、コロナワールドや極楽湯となっている。
テルブはテルブで極楽湯に破れて消え去ったのか…?
弱肉強食の世を感じます。
チャック・ウィルソンの筋肉も
ケント・デリカットのメガネ芸のインパクトには勝てなかったしな…。
そんなケントもデーブ・スペクターのダジャレに破れ…。
時は刻々と過ぎています。
もうすぐ春ですね…(遠い目)













