2005年06月09日

ヤンキーのボンタンには悲しみが詰まっている

今朝、久しぶりに会社に行く途中で、ボンタンをはいた学生を見た。
ちなみにボンタンとはこれのことだ⇒ボンタン.JPG

我々20代後半世代は、ぎりぎり現役中学生時代に、短ランにボンタンという今となっては懐かしいスタイルを生で見れたか、見れないかぐらいの際どい世代だ。
私はラッキーなことに、同じ中学校に数人のボンタンの生き残りがいたので、生で見れました。

ボンタン族が集団で廊下を歩くと、なんだか廊下が狭く見えます。
ボンタン族は歩くにも必要以上に弧を描き、無駄なスペースを確保しつつ、学校内を闊歩しておりました。

そんな中学時代のうららかなある日、今や2児の母である友達の沙織ちゃんと、
ヤンヤン(ヤンキーのこと。我々が使用していた独自用語)は何であんなにズボンに対して無駄な布のゆとりやスペースを求めるのだろうという話になった。


私:「無駄な布幅や歩幅がヤンヤンのステータスを表しているのでは?」

沙織:「そしたらトップはものすごい重い布を引きずることになるし、学校へ通学するのにも一苦労だよ。だってかなりの弧を描かねばならなくなるから」

私:「・・・・。」


それっきり会話は終わると見えた。だがしかし、この後の学級会を経て、
沙織ちゃんがある一つの回答を導くことになる!

その日の6時間目は3学期の学級委員長を決めることになっていた。
いつもは誰もやりたがらない学級委員長。しかしこの日は違った!
率先して立候補するものがいたのだ!

「俺、学級委員長やりてぇ!!」


一瞬、だれもが耳を疑った。なぜならその声の主はヤンヤン筆頭のリーダー格、Y田ちゃんだったからだ!
この当時、私が「グランド・キャニオン」とい密かに呼んでいた雄大な担任教師は、困惑の表情を浮かべた。

「Y田、冗談はよせ」

そう、低い声でキャニオンがつぶやくと、いっせいに熱いヤンヤンたち(3人)の声が教室に鳴り響いた。

「ひでぇよ!先生!外見で判断するのかよ?!」

「Y田ちゃんは真剣に委員長をやりてぇと思ってるんだ!!」


キャニオンは明らかに困り果てていたが、その後もヤンヤンたちの熱のこもったトークは続いた。
そして、それを見ている沙織ちゃんの目もなぜか熱を帯びていた。

結局ヤンヤンに押されたキャニオンは、Y田ちゃんを学級委員として認めることにした。

「条件として、明日からまともな服装をしてくるように。それだけは約束してくれ」

一瞬ひるんだ表情を見せたY田ちゃんだったが、低く、

「おお…」

と応えたのであった。


その日の帰り道、沙織ちゃんが思い出したかのように、こうつぶやいた。

沙織:「…きっとヤンヤンたちの無駄なスペースや布幅には悲しみが詰まってるのよ。外見で判断されちゃう悲しみがね…」

私:「は?」

沙織:「さっきの教室での先生への熱いトーク、ドラマみたいだった!ズボンに溜めに溜めた悲しみを一気に先生にぶつけたんだよ!」

私:「・・・・。」

だったら、もうそんな悲しみズボンなんてぬいじゃえばいいのに。
と私は思ったが、自分の台詞に陶酔している沙織ちゃんに何も言えず、「うん、そうだね」と答えた。


余談になるが、その後、Y田ちゃんがボンタンを脱ぐことはなかった。
「なかなかお直しに出せねぇんだよ」とか「母ちゃんが今更新しいの買ってくれないんだ。」とかいろんなことを言って、キャニオンの追求を逃れ、いつしかキャニオンもどうでもよくなったのか、何も言わなくなった。

そしてY田ちゃんが急に学級委員長を目指したのは、実はせめてどっかの高校に入れるようにと目論んだ内申点稼ぎだったのではないかと疑惑が勃発。
ボンタンには悲しみではなく、策略が詰まっていたらしい。


さらに最近、今や看護婦となった妹にこんな話をしてたら、

「馬鹿だね、あの無駄なスペースは威嚇だよ。だぶついた服を着たり、弧を描くようにしてヤンキーが歩くのは、身体を一回り大きくみせるためだよ。エリマキトカゲの威嚇と一緒!しょせんは人間も動物なんだよ。」
エリマキ.JPG

と一刀両断にされた。彼女は大学で人間の行動学だかを学んだときに、気の小さい人ほど無意識にそういう行動をとってしまうというようなことを学んだそうです。

ということで、約10年の時を経て判明。

「ヤンキーのボンタンにはガラスのハートが詰まっています。」
posted by きょんこ1210 at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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