2005年11月09日

ヤンキーとドライブ

沙織ちゃんは高校のとき、ちょっとヤンキーっぽい人と付き合っていた。


ワタベさんというその彼氏は沙織ちゃんにとっては二人目の彼氏だったようだが、23歳ということで、当時の我々にとっては、とても大人に見えた。


ワタベさんはいつも舎弟?と思わしき人物を引き連れており、ワタベさんが車を下りるときには、いつも舎弟?のヒトシさんが先に車のドアを開け、「どうぞ!」とかしこまっていた。



当時はそうとうやばい人に見えたけど、数年後、その貫禄はみるみると衰えていき、最終的に我々の間でのワタベさんのあだ名は


「キリスト」となった。



沙織ちゃんとワタベさんは若くして出来ちゃった結婚をしたわけだが、我が子を入浴させるワタベさんの写真を見ると、ロン毛にひげ、そしてガリガリの肉体、


まさに十字架にハリツケされたイエス・キリストそのものだった。



写真を見て、あすかちゃんが一言、

「なんかキリストっぽくねぇ?」

と言ったその瞬間、大爆笑となり、
その日からワタベさんは「キリスト」となった。



今では、沙織ちゃんも

「うちのキリスト、稼ぎが悪くてよぉ〜」

と普通に自分の旦那をキリスト呼ばわりしている。


んで、話がそれたが、そんなワタベさんがまだキリストとなっていなかった遠い昔、まだ誰ともお付き合いをしたことがなかった高校生の私に男性を紹介してやろうとの話になった。


紹介は東北限定ファミレス「ミルキーウェイ」で行われた。


沙織ちゃんと私がファミレス内でドキドキしながら待ってると、ワタベさんが、一人の男性を伴って訪れた。


「ちわっす。
おいら、モガミ・ショウってんだ、
よろしくね!」



べ、ベロ?!

私は「おいら、ベロってんだ!」と友達を必死に作ろうとするときの妖怪人間ベロをすぐさま連想した。
だって、そんなベロ調のしゃべりの人、見たことなかったから。


モガミさんはお顔立ちは的場浩次似だった。


「こんにちは、きょんこです。宜しくお願いします。」


挨拶もそこそこに「とりあえず食うべ〜」とワタベさんが腹ペコぶりを発揮したので、食事を注文した。


ミルキーウェイでは食べ放題のサラダバイキングもあり、店員に小皿を渡されたら、好きなだけ豊富な種類の野菜を持ってくることが出来る。


「きょんこ、モガミさんにもサラダ持ってきてあげようよ♪」


沙織ちゃんがワタベさんにサラダを持ってきてあげようとしたとき、ボケっとしてる私に声をかけてくれた。


私なりにサラダをよそってきたが、家族が多い家で育ったため、知らず知らずのうちに、山盛りいっぱいのサラダをよそってしまっていた。

テーブルの上にきれいによそってある沙織ちゃんの持ってきたサラダと、
とりあえず力の限り持って来ました!
ごっつぁんです!!
って感じの私のサラダを見て、モガミさんが


「てんこ盛りだべやぁ!なかなかワイルドでいいっちゃ!!!」


恐ろしいほど巧みな仙台弁を駆使して私に微笑みかけてくれた。
そのうち、何だかんだ話してるうちにモガミさんが族上がりであることが判明。
興味本位で

「じゃ、チーム名とかってあったんですか?やっぱり」

と聞くと、ちょっと自慢げに

「ブラッド」

と答えた。


ブラッド? Blood?
血??!!



「ブラッドって血って意味ですよね?さすが、おっかない名前ですねぇ」


なんて適当に話してたら、


「っんだ、てめぇっ!このぅ!!
バカこくでねっ!!
ブラスト(Blast)だ!!!
突風って意味だべっちゃ!!!」




モガミさんはブラストと発音するときに
ブるらるラスト!って感じで舌を巻きまくり、叫びに近い声をあげたため、店内は一瞬静まり返った。



「す、すいません!」

恐怖のあまり、慌てて謝ると、

「いや、わりぃ、わりぃ!ついついチームのこととなると、俺も熱くなるからよぅ!」

と元の温和な表情に戻っていた。

それにしてもBlastなんて学校の英単語で習ってないよ…。

ヤンキーって漢字も得意だし、ひょっとして語学関係に秀でてる人が多いのかな?

などど、ビビりながらも冷静に考える私だった。


その後ゲーセンやカラオケに行って、夜もけっこう遅くなってしまい、帰りはモガミさんが家まで私を車で送ってくれることになった。

産業道路を走っているその時だった。


パラリラパラリロ〜♪という変なラッパみたいな音と、ギャウンンギャウウウンという明らかにマフラーをいじった、けたたましい車の音が聞こえてきた!


「うわっ!暴走族かなぁ?(;゚Д゚)」

とおびえていると、こっちに向かって暴走野朗どもが追いかけてくるではないか!!!


「ぎゃあああ!!
モガミさん、怖い人たちが追っかけてきますよ!!!」



すると、モガミさんは

「大丈夫だぁ!みんな、おいらのマブダチだっぺや」

と余裕の表情だ。

「えっ?じゃあ、皆さんお知り合い?」

「どうだべか〜?」


( ゚Д゚)ハァ?!


「走ってる奴はみんな俺の仲間だっちゃ」


なんだ、こいつ…?
なんかのマンガの読みすぎなんじゃねーの?



と思いつつ、ふと窓に目をやると、

ぎゃあああ!!!!
カラス天狗みたいなマスクつけたバイク野朗が鉄パイプ持って、横に並んでる!!


Mr.カラス天狗は蛇行運転しながら、鉄パイプでコツコツと車の窓を叩き始めた!!
ひいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!




辺りを見回すと、
すっかり族に囲まれてんじゃんか、この車!!!

バイク7〜8台と改造車が3台ほどが前、横、後ろにつけて、蛇行運転してるので、行く手を阻まれてしまい、ノロノロと走るしかない状況となっていた。


恐怖で

「モ〜〜ガ〜〜ミ〜〜さ〜〜ん〜〜!!」


って半泣きしてたら、突然モガミさんは窓を開けて、大きく手を振り出し、

「よ〜う!!俺のマブダチや〜い!」

と声をあげた。



((((;゚Д゚))))
バカ野朗!!!
余計なこと言って、挑発すんじゃねぇよ!!!!




うおぅ!!私、車から引き摺り下ろされて、きっと犯されるんだ!!!

モガミさんはボコボコにぶん殴られて、どっかに吊るされるんだ!!!




とパニックになって、私まで変なマンガのセオリーを思い描いてしまった。

と、そのとき、後方からパトカーのサイレンがっ!!


「止まりなさい、止まりなさい、前のバイクと車、止まりなさい!!」


おまわりさんの出現と共に、蛇行を描いて、我々の車を囲っていた連中はいっせいに、加速して新寺方面に走り去った。
パトカーもその後を追いかける。

助かった…

こうして私の恐怖のドライブは終わった。
あれから10年経ち、今では暴走族そのものもめったに見かけることのない希少種族となってしまった。

そう考えれば絶滅品種にあんなに間近に接触できたことは、ある意味、貴重な体験だったのかもしれない…って、もう2度と接触したくないけどね。
怖いから((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

数年後、モガミさんと偶然に再会し、一緒に「タイタニック」を見に行きました。
私はラストの難破シーンで、氷の上にディカプリオも乗せろよ?!だったら死なないじゃん!!ってイマイチ入り込めなかったのですが、モガミさんは号泣していました。
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posted by きょんこ1210 at 14:10| Comment(7) | TrackBack(0) | 思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここんところさっぱり見なくなりましたねー暴走族。
単発的には見かけますがチームでぞろぞろはみませんねぇ。
2年位前に深夜のアーケード歩いてたら
ブンブンと集団でアーケードの中を
走ってたのは流石に驚きましたがww

それにしても

不良度が上がる=なまり度が上がる

の法則はなんで成り立つんでしょうねぇ。
Posted by ヒズ at 2005年11月09日 15:58
あっ肝心のこと忘れてた^^;

リンクありがとうございましたー
これからもよろしくでーす。
Posted by ヒズ at 2005年11月09日 15:59
いや、だからさ、「モガミさんとタイタニックを見た話」はまた別に使おうよ(苦笑)。あいかわらず、ネタの消費の仕方が豪快だなー。

ま、そんなとこが好きだっぺ。
Posted by たらみユーイチ at 2005年11月09日 18:41
ヒズさん

田舎に行くほどヤンキーって多いですよね。
ほんとなぜなんだろう。

あと、祭り時ってなると、どこからか虫のようにぞくぞくと集まってくるヤンキーたち。

ヤンキーはお祭り好きですね。

でも、心はとっても純粋だと思います。
話してみると優しい人が多いです。

目立つ行動をしてしまうのは寂しさの裏返しなんじゃないのかな?

それにしてもアーケード内を走るとはかなりの寂しがり屋さんだな(´д`;)

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たらみさん

お久しぶりです♪

出し惜しみはしないっていうかできないタイプなのです、私…。

好きな熟語は「猪突猛進」
Posted by きょんこ1210 at 2005年11月10日 10:48
あの方たちの縦横の繋がりって、一般人にはよくわかんないですよね(笑)

ふれの会社の先輩(課長36歳の2児の父親)が名取駅でバス待ちしていたら、駅に現れたヤン車のバイクに乗った後輩に「家まで送りますよ!」と凄い音出して二人乗りして家まで連れてかれたと。
誰かに顔見られないように小さくなって乗ってたらしいけど(爆)
Posted by ふれ at 2005年11月11日 06:52
今回のネタ最高!です。キリストさん、モガミさんいいわー。
Posted by 127 at 2005年11月11日 13:02
ふれさん

さすがに相当な年齢になってから、ヤン車乗るのにはためらいが生じますよね…

私も10代の頃は友達のケツでしたが、バイクで七来田中の校庭をぐるぐると走行したことがあります。

七来田中の皆さん、すいません…。

=====================−
127さん

モガミさんは今ではどこでどうしてるのかさえわかりませんが、キリストは今日も元気いっぱいに2児の父親として頑張ってらっしゃいます。

ちょっとベトナムの俳優みたいな顔をしてます。
Posted by きょんこ1210 at 2005年11月14日 16:00
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