たくま君との初めて言葉を交わしたのは2001年の5月ぐらいだったと思う。
当時、私は広瀬通のとある事業所で営業として働いており、たくま君もその近くの会社でSEとして働いていた。
営業だから、ほぼ外に出ていたけど、昼休みは社内で、過ごすことが多く、近くのファミマで弁当を買う事が多かった。
ファミマにいくときに、
「なんか買ってきてほしいもんありますかぁ?」
と社内に声をかけると、みんなおにぎりだの、カップ麺だのを頼むので、そのお使いも兼ねて昼休みはファミマへ行くことが私の日課となっていた。
ある日、いつものように、みんなのおにぎりを物色していたところ、持っていた肉味噌おにぎりをごろっと床に落としてしまった。
「あ!」
「大丈夫ですか?」
それを拾ってくれたのがたくま君だった。
ファミマではよく見かける人物だったが、話をしたことはなかった。
「ありがとうございます」
私はおにぎりを受け取ると、
店の棚に戻さずに、それを購入して、
F岡リーダーに渡した。
床に転がったおにぎりとはいえ、私とたくま君の将来を形作ったおにぎりを口にしたのだから、F岡リーダーも今となっては喜んでくれるに違いない。
それから、また別の日にファミマでたくま君を見かけたときに、私は思い切って自分から声をかけた。
「こないだはどうもありがとうございました」
「あ、どうも」
たくま君も私を覚えていてくれた。
「この近くの会社なんですか?」
「はい、このすぐ横の会社なんですよ」
その日はそんな簡単な話をして終わった。
また別の日にたくま君を見かけたときは、彼から話しかけてくれて
「いつもお昼、お弁当なんですね。
あの、もしよかったらたまには一緒に外に食べに行きませんか?」
と誘ってくれた。
こうして私たちの初デートは会社の昼休みのランチとなった。
ゆうせんで寿司セットみたいのを食べたことを鮮明に覚えている。うまかったよ。
このとき、電話番号、メアド、果てはヤフーメッセンジャーのIDまで交換し合い、お互いにPC関連の会社に勤めていた我々は
仕事しながらヤフーチャットで親交を深めたのであった。
真夏になると、汗っかきの私は、水色の半そでのシャツを紺色に染め上げるほどの大量の汗をかきつつ、たくま君とランチを楽しむようになった。
「汗っかきで、すっごい恥かしいんですよね〜」
なんて笑って話していた。
後日、たくま君に聞いたところによると、普通、女の子が「汗っかき」といっても、たかが知れているのに、私が尋常でない汗をほとばしらせていたもんだから、正直かなりの衝撃を受けたそうだ。
でも、汗なんか気にせずに、豪快に笑いながらしゃべりまくる私を見て、好感を覚えたという。
なぜならたくま君も類をみない汗っかきだったから。
その後、二人での初めての遠出がなぜか山形のリナワールドとなった。
このとき、初めて手をつないだ。
たくま君がそっと伸ばして、つかんできた手は汗っかきゆえ、かなり湿っていたが、私はそれを気にせずにぎゅっと握り返した。
それがとても嬉しかったとたくま君は語ってくれたことがある。
こんなにウェットな手を握り締めてくれるなんて!!と感動したそうだ。
ただ、実際、握り返してくれた私の手のほうが思いのほかウェットだったので、それはそれで度肝を抜かれたらしい。
こうして汗にまみれながら私たちの愛は深まっていった。
つづく…。















